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~クレール・ラナ~

「話を聞かせて」
 腰のナイフから手を放して、虹眼の少女に言った。
 少女も黄金色の魔剣を手放し、警戒態勢を解いた。固い表情は崩さないままだけど、瞳に宿る光はどこか優しさを取り戻している。
 そう。彼女だって、帝都の破滅を望んでいるわけじゃない。破壊するだけが望みなら、面倒なことをしなくてもいい。魔剣の力で全てを蹂躙すれば、それで事足りるのだから――。
 虹眼の少女を信用し、歩み寄ろうとした。そのとき――。
 不意の破裂音が思考を奪っていった。体がびくんと跳ね、胸の奥から激痛が湧き上がってくる。
 胸が――痛い。
 痛い。
 痛い。
 服から大量の血が染み出してきて、ボタボタと地面に垂れ落ちていく。
 これは……銃創……?
 あたし……撃たれたんだ……。
 がくんとひざが折れ曲がり、前のめりに倒れ込んだ。受身も取れず頭から地面にぶつかったけど、それどころじゃない。
 体が寒い。この寒さには覚えがある。ディノと初めて出会う直前……道端で倒れ、絶命しかけていたときの寒さ……だ。
 ああ……どうして……気づけなかったんだろう。
 ディノの友人を殺してしまった時点で、もう退路も行き場も残されていなかったということに。
 これはきっと運命だ。
 運命が、どこへも行けないあたしの命を奪いに来た。
「ディ……ノ……」
 暗転する視界。意識を溶かす闇の中で、彼の名を呼ぶ。
 裏切られ、切り捨てられ、誰からも見放されて……。もう誰にも頼らない――と。そう誓ったのは何年前のことだったろう。
 そのあたしが、人と会えないことをこんなにも未練に思うなんて……。
「ディノ……」
 もう一度、彼の名前を口にする。その名を呼べば、幸せだったあの頃に戻れるような気がした――。


BAD END
 
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テーマ : 自作小説(ファンタジー)
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