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~ロランベル・アルジェント~

 クレールが去って、ディノと二人きり。見つめ合いながら、静かに距離を縮めていく。
 ――こうなることは予想できなかった。僕の与り知らないところで、ディノが見放された者になってしまうなんて。
 彼はきっと、クレールを守るためにああなったんだろう。見てきたわけじゃないけど、なんとなく想像はつく。
 僕にはわかる。ディノのことをずっと見てきたから。彼自身以上に、彼のことをよく知っているから……。
 ディノはクレールと一緒に生きる道を選んだ。これから先なにが待っているのか僕は知らないけど、彼がそれを選んだのなら全力でサポートするだけだ。
 ディノとクレールのために。二人が作る未来のために。僕は全てを投げ打とう。
 きっとそれだけが、僕の生まれてきた意味だろうから――。
「さあ。おいでディノ。少し目を覚まそうか」
 ディノはゆっくりと近づいてくる。狂気を宿した右目でこちらを見据えながら。
「僕と君は別々の道を行くことになるかもしれない。でも安心して。ここじゃないどこかで、僕も希望を見つけるために生きてる。どうか君も精一杯生き抜いてほしい」
 僕の声は、彼にちゃんと届いているだろうか。届いていると……信じたい。
 これはディノに捧げる言葉であると同時に、僕自身へのメッセージでもある。明日を生きるために唄う、賛美の歌声――。
「大丈夫。今がどんなに苦しくても、苦しいことがずっと続いていても……。世界は見放されてなんかいない。誰だって希望をつかむことはできる。――僕はそう信じるよ」
 息がかかるくらいすぐ近くまで、ディノがやってきた。両手を広げ、僕は彼を迎え入れる。
 見放された者たちを恐ろしいとは思わない。彼らはみんな、想いの伝え方が下手な子供たちだ。誰のことも傷つけたいとは思っていない。
 多くの見放された者を見てきたからこそ、強く思う。人は元来、愛情と思いやりに満ちた温かい存在なのだと。
「さよならディノ。君の前途に多くの幸せが実ることを祈るよ」
 黒く染まったディノの右腕が、僕の首にかかった。振り払おうと思えば簡単にそれができる程度の力で、ゆっくり……ゆっくりと締め上げてくる。
 ディノの左目から涙がこぼれた。
 ――ああ。やっぱり彼は優しい。見放された者になっても、僕の身を案じてくれている。
 手を伸ばし、指先でそっとディノの涙をすくった。彼を少しでも安心させるために、安らかな笑顔を作りながら。
 大丈夫。悲しむことはない。僕にはまだ多くの時間が残されているのだから……。

 
 BAD END・・・?
 
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テーマ : 自作小説(ファンタジー)
ジャンル : 小説・文学

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